デスクワーク主体のビジネスマンにとって、
長期間の人体への直接的影響を考えるとき
オフィスチェアーの選択は非常に重要です。
エルゴノミクスチェアーとして最も知名度が高く、人気があるのは
1994年に発表されたHerman Miller社の
Aeronでしょうか。
個性的デザインながらも、オフィスチェアーの分野でブランド化しており
お客様に提案すると、高い確率で採用されます。
尚、サイズがABCの3種類用意されており、
一般的な日本人の場合、最も小さいAサイズがフィットします。
オフィスをトータルでデザインしようとした場合、
Aeronは主張が強いため一般執務空間よりも、
Aeronのテイストに合わせてデザインされた会議室等での
採用がベターであろうと個人的には思います。
Aeronが売れ続けている一方で、
Mario BelliniデザインのYpsilonが販売不振のため
国内市場から姿を消そうとしています。
機能的にはAeronよりも優れている点も多いと思いますが、
デザインが受け入れられなかったのかもしれません・・・
エルゴノミクスチェアーの元祖的存在として、
1981年の販売開始以来いまも生産されているのが
Emilio Ambaszデザインの
VERTEBRA CHAIRです。
VERTEBRAとは脊椎の意味で、背もたれに寄りかかると
座面が前方スライドし、前傾すると座も前方傾斜して、
大腿部の圧迫を軽減する機能は当時としては画期的であったと思います。
調整機能はシンプルですが、デザイン、座り心地ともに良好なイスです。
近年はエルゴノミクスチェアーもさらに進化しており、
座り心地に優れたプロダクトも充実してきました。
海外メーカーに対して納期、価格共に勝る国産メーカーも
最近になって優れた製品を発表してきており、デザイナーとして
選定する立場にある我々にとっては随分楽になりました。
中でも、オカムラ製作所の
Contessaは海外でも評価の高いエルゴノミクスチェアーです。
因みに、私はといいますと約10年間Steelcaseの
Sensorを愛用した後に、
2000年にSteelcaseから発表された
Leapに。
そして、現在はLeapHDという日本人の体型に合わせたコンパクトサイズのLeapを使用しております。
元々Leapの洗練されたフィット感には充分満足しておりましたが、小柄な体型の私にとってはLeapHDの使用感は文句なく、様々なイスに座った経験からも、よくお客様から「お薦めのイスは?」と聞かれますが、デザイン云々ではなく、座り心地や長時間疲れないこと、腰痛でお悩みの方でしたらLeapHDをご紹介しています。
先日、空間構築のお手伝いをさせて頂いた
仲野整體の仲野先生も、プロの整体の見地からいろいろなイスをお試しになった上で、LeapHDを愛用されていらっしゃるとお聞きして我が意を得たりと思いました。
アジャスタブルアームをスライドさせると可動部の説明が・・・
スタッフも色違いのLeapHDを使用しています。
つい最近、ようやくLeapにオプションのヘッドレストが
発売されましたが、納品は約8週間後。
海外メーカーはいつも納期がネックですね・・・