Takeo Sato

JAPANTEX2009の視察とセミナー参加のため東京ビッグサイトへ


東京ビッグサイト（東京国際展示場）は佐藤総合計画の設計で
1995年に竣工ですので、もう14年が経過していることになります。

因みに、佐藤総合計画の主な近作では北京五輪のために建設された
天津オリンピックセンタースタジアムが中国建築学会賞を受賞しています。



佐藤総合計画の創業者佐藤武夫氏は1899年に生まれ、

早大理工学部建築学科を卒業後、建築音響学に精通し工学博士号を取得、

1952年のユネスコ国際芸術家会議には建築家代表として出席し、

日本建築学会会長も努める等、蒼々たる経歴を残しています。


また、佐藤氏は日本の近代建築を牽引する傍ら、

多くの著書や作品集を刊行していますが、

丹精な表現の中に創造への喜びと情熱、

或いは純粋な好奇心さえ感じられ

読み手のクリエイションへの意識を刺激してくれます。


今や成熟期と言われ、停滞感の否めない日本の現状を悲観するよりも

半世紀以上前に明るい未来を信じて、

自己修練に没頭した建築家の思いに触れる事の方が

もしかすると、有意義かも知れません・・・


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近代の建築の傾向が、段々科学的になっていく事は

大いに我が意を得て結構なことであり、

また当然然るべきことがらであるが、

いくら科学的になっても科学そのものでない限り、

そこには必ず作者——言葉が悪ければ——

構成者のtemperament(気質)が顕現してくる筈である。


それからまたいかに科学的になっても、

そこにはまたそれに相応しい詩が謳われる境地が

開けているということである。


新しい素材と、新しい形式とによって、

新しい詩を謳おうという romanticismの泉は、

永劫に建築の道から枯渇しないだろう。


（佐藤武夫　住宅鴟喃荘　共洋社　1933/12）